2018年3月31日土曜日

出発の時


出発の時

卒業式の季節ですね。
学業を終えた方、ご卒業おめでとうございます。
ご家族、先生方、おめでとうございます。

長男が中学2年生のとき、翌日の卒業式の参列をしたくないと言い出しました。特に在欧性としての役割もなく、ただただ号令に従って立ったり座ったりするだけだから、登校しないというのです。反抗期まっさかり、親が正論を言っても、たいてい言い争いになってしまう頃でした。でもその時、「卒業式や入学式は、当人以外の人がそこにいて、卒業の証人になることが一番大事」という私の言葉に意外とあっけなく説得され、翌日式に参列したのです。私はちょっと得意でした。でも今では、あの時母親の真剣さをきちんと受け止めてやろうとしたのは、息子の度量だったなあとわかります。私が救われたエピソードだったのですね。

うまくいかない人間関係でも、逃げるよりはきちんと向き合った方がいいです。するとほんの一瞬、結び目ができる瞬間があります。人の関係はその瞬間を大切にして切れそうでつながっている長い糸のようなものです。

長い間お世話になりましたが、この3月で岩瀬病院での月に一度の勤務を終えます。ここでは、主として職員の方のストレス緩和サポートを担当しました。相談で多かったのは、子どもさんの学校不適応に関することでした。多くの例でゆっくりと回復され、ご本人のペースでの発達を遂げられたのは、本当にうれしいことでした。皆様のご健康を祈ります。
6年間、ありがとうございました。

追記「不登校、ひきこもりの 見守りかるた」というのを作ってみました。
よかったら、御覧になってください。
                           平成30320
                                 心理士 吉村順子